2016年3月21日月曜日

先生、ありがとう。


先生に会ったのは、3年ほど前の同窓会、それが最後でした。その時「先生、ありがとう。」と言えなかったのを悔やみます。先生に会わなかったら、今の私はいませんでした。

中学2年のとき、体調を悪くした担任の代わりに先生(国語)はやってきました。当時学校はとても荒れていて、私の学年の国語の授業は1年遅れていたといいます。

サングラスに竹刀を持ち、まるでヤクザのような風貌。しかも容赦なくビンタに丸刈り、とんでもない暴力教師がきたと思いました。でも。ひとりひとりの生徒をよく見て、よく話をしてくれました。生徒をかわるがわる自宅や、山芋掘りにつれて行ってくれました。そして、学校は劇的に変わりました。

「おまえは、もっと言いたいことを言わないとダメだ。」このときの先生の言葉は、今でも鮮明に覚えています。

先生の強力なプッシュで生徒会に立候補して副会長になり、人生最初で最後のオール5の成績も、今思えば志望校への内申を上げるためだったのかもしれません。

そして、この時期の記憶は、今でも私を支え続けてくれています。


ご会葬のお礼の文章がとても印象的だったので記載します。
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「良き面影を大空に描いて...」
長年教育の現場で働いてきた夫は、やり甲斐を持って取り組んでおりました。家でも仕事の話ばかりして...。本当に生徒のことが、そして仕事が好きだったのでしょう。最後まで情熱を絶やすことなく職務を全うしました。
時間に余裕が出来ると、渓流釣りや山菜採りを楽しみに、充実した日々を過ごしておりました。嬉しそうに出掛ける夫の背中が鮮やかに思い出されます。これまで一生懸命頑張ってきましたから、もっと自分の時間を楽しんで欲しかったと悔やまれます。それでも夫が今まで幸せに日々を過ごすことが出来ましたのも、支えてくださった皆様のお陰です。
平成28年3月10日 享年67歳

家に帰り、ふと図録を開くと、歌う布袋のページが開きました。
「人生、なかなか楽しかったよ」そんなメッセージをもらった気がしました。

先生、ありがとう。